名古屋ECOの卒業生たちは、全国の様々な場所で活躍しています。
卒業生たちは動物業界の現場でどのように働いているのでしょうか。
そして学生時代をどのように過ごしてきたのでしょうか。
卒業生たちの学生時代から現在のお仕事までの様子をうかがったインタビュー内容をお届けする「【卒業生インタビュー】特集」。
今回は静岡県にある「富士サファリパーク」で活躍する3人の卒業生を取材。
「富士サファリパーク」は、マイカーやバスに乗車したまま野生動物を間近で観察できる大迫力の「サファリゾーン」と、動物たちとふれあえる「ふれあいゾーン」がある、日本最大級のサファリパークです。
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卒業生情報
加藤 さん
富士サファリパーク
動物飼育員
動物園・動物飼育専攻 / 2017年卒業
<取材日程:2022/9/26、取材:名古屋ECO事務局(松本)>
富士サファリパークでの仕事
特定動物のカバ・リカオン・ヒョウ・ハイエナをメインで担当している他、犬の館のチーフとして管理を行っている加藤さん。
その中でもリカオンは、専門学生の時に本を読んだり、テレビを見たりしているときに知り、担当になってみたいと思っていた動物でした。
小さい頃から富士サファリパークに連れてきてもらっており、たくさん遊びに来ていたといいます。
富士サファリパークで働いていると、触りたい、近くで見たいというお客さんがかなり多いというのを実感するそう。餌あげをしたいという声も聞こえてくるとのこと。
できるようになったことと、仕事のやりがい
「楽しいですが、犬の館にいる40頭くらいいる犬たちのしつけは、それぞれ一頭一頭方法を決めてしつけをしていかなければいけないのが大変です」。
学生時代は個体識別に関して、あまり意識していなかったという加藤さんですが、動物のお世話をするようになって、見分ける方法を先輩に聞き、特徴などを教えてもらっていたそう。
また、「お客様に直接動物の話ができ、『わーすごい』といった声や、ガイドをするときに『お兄さんお話が面白い!』『楽しかったです』という感想をもらえたときはとても嬉しくやりがいを感じます」とのこと。
忘れられないエピソードは、ふれあい課どうぶつ村担当に配属になり、お客さんを連れてエサをあげるツアーを行ったときのこと。
「終わったときにお客さんに拍手をもらいました。そのことが今でも嬉しくて忘れられません。今でも一番の思い出です」と喜びを語ってくれました。
毎日が間違い探しのように
動物の一挙一動いろんなところを見ることを気を付けているとのこと。
特定動物だと直接触れないため、ガラス越しにすぐに異常に気付き獣医師さんに報告しないといけません。
展示場の前を通るときや時間があるときは動物を見ており、間違い探しをしているそうです。
「枝だったり葉っぱだったり。歩くときもいつもと違う景色がないかを見ています。
展示場の前を歩いてみたり。木がいっぱいあって、台風の後や雨の後なんかは特に、お客さんに危害がないようにしています」。
自分の視野を広く持つことが大事なんですね。
また、動物の担当も何人かいるため、やり方が変わっていたり、新たな情報は日誌を見たり担当の人に話を聞いたりしなければいけません。
ノートにまとめて共有できるように、そして誰もが見られるように、写真を撮ったりしています。
書き残すということも仕事の1つなんだとか。
今後目指していきたいこと
「自分の中では特定動物の飼育員としてはまだまだだと思っているので、今働いている上の人たち、もっとすごい人たちに並べるくらい飼育の技術を高めたい」と語る加藤さん。
「個体管理の能力を高めたり、もっといろんなことができると思うので、スキルを身につけて、あの人になりたいと思ってもらえるような飼育員になりたいです」。
直接手では触れないような動物たちは、ケガをしても触れないので、そういったときにどうしたらいいかまだわからないそう。
自分が提案できるくらいのレベルになり、その次はもっと考えて人に教えられるくらいになりたいと話してくれました。
高校生の皆さんにメッセージ
「自分たちの世代で動物園で働けた人は、そんなに多くありません。
それは結局自分の気持ちもあって。
やりたいことは最後までやって、研修もいっぱい行ってもらったら自分の世界が広がって、やりたいことが見つかってきます。こういうことしたいというのがあると思います。
今の内にいろんなものを見て、働いたときによかったと思ったりとか、やりがいを感じるような飼育員さんや動物関係の方になれるように、いろんなことに挑戦してもらえたらと思います。
実習生のうちは研修に行っても職場の人にやらせてもらったりとか。
現場の人に聞く話が一番リアルだと思うので」と、エールをくれました。