皆さん、おはようございます
眼科の検査について触れてきましたが、本日は、耳の検査についてお伝えしたいと思います。
ワンちゃん、猫ちゃんの耳の検査、病院で受けられたことありますか?
検査学実習では、耳の検査として、『耳垢検査』を行いました。
耳垢は、表皮の細胞が新陳代謝で剥がれたものと、皮脂腺などの分泌物が混じり合ったものです。耳垢細胞診によって、寄生虫、細菌や酵母感染、炎症の有無を把握することが可能です。専用の器具を使って耳垢を採取し、スライドガラスにのせて顕微鏡で観察を行います。
今回の実習では、綿棒を用いて耳垢の採取を行いました。
動物病院では、必要に応じて耳垢を染色したり、採材した耳垢に対して細菌培養や薬剤感受性試験を行うこともあります。耳垢の色や臭いも診断の手掛かりとなります。病状によっては、黒っぽい耳垢や、茶褐色の耳垢、黄緑色の耳垢、脂っぽい臭いのする耳垢など様々です。
採取した耳垢をスライドガラスにのせて
時間を測って染色させて
顕微鏡で見てみると 早速『マラセチア』発見です
『マラセチア』とは、酵母菌という真菌の1種で、健康なワンちゃん・ネコちゃんの皮膚の表面に常在していますが、皮脂を好むため、皮脂のたまりやすい脇や耳、指間で増殖します。
過剰に増えると、皮膚が脂っぽくなったり、激しいかゆみを伴う炎症を引き起こします。
『マラセチア』は皮脂の分泌が多い体質や、皮膚のバリア機構が低下している場合のほか、高温多湿の環境で増えやすいため、定期的なシャンプーや皮膚・被毛を衛生的に保つ等の日常ケアを心がけましょう!
次に挙げる項目に該当する場合や、耳垢の量や色、耳の臭いをチェックし、異常がみられた場合には早めに動物病院にかかったり、獣医師に確認するようにしましょう。
□最近、よく耳を掻いている
□最近、頭を振る回数が増えた
□最近、頭が左右どちらかに傾いている
□耳のあたりから普段と異なる匂いがする
□頭や耳の周囲を触ろうとすると嫌がる
□耳の中に耳垢が見られる
皆さんのワンちゃん、猫ちゃんが健康に、幸せに暮らせますように・・・
名古屋ECO動物海洋専門学校
教務部より