名古屋ECOの卒業生たちは、全国の様々な場所で活躍しています。
卒業生たちは動物業界の現場でどのように働いているのでしょうか。
そして学生時代をどのように過ごしてきたのでしょうか。
卒業生たちの学生時代から現在のお仕事までの様子をうかがったインタビュー内容を、ほぼそのままの形でお届けする「【卒業生インタビュー】特集」。
今回は、愛知県や東海エリアに住む人々にとって親しみのある水族館のひとつである南知多ビーチランド。
ここで水族館スタッフとして活躍している三好さんの、学生時代から現在までの様子に迫っていきましょう!
卒業生情報
三好さん
南知多ビーチランド
飼育担当(魚類)
水族館・アクアリスト専攻2013年卒業
<取材日程:2019/9/24、取材:名古屋ECO事務局(白谷)>
子供の頃から南知多ビーチランドで働くことが憧れ
――動物業界に興味を持ったきっかけは何ですか?
元々は父の影響です。
父がダイビングを趣味でやっていて、その影響で海が好きで、海に遊びに行って泳いでいました。
虫もすごい好きだったので、幼稚園児の頃からダンゴムシ拾ったり、筆箱にダンゴムシ集めたりしていました。
ずっと動物が好きで、動物に関わる仕事がしたいなと思っていました。
ビーチランドに遊びに来た時に水槽に潜っている人とかを見て、ビーチランドで働きたいと思ったのがきっかけです。
――もうその頃からビーチランドで働きたいと思っていたんですね。
そうですね。ビーチランドが良いなとはずっと思っていました。
――なぜ名古屋ECOに進学したいと思ったんですか?
本当は親に反対されていたんです。水族館が入れる人が少ないからです。
専門学校自体元々反対されていたんですけど、自分で調べて、「ここに行きたい」ってECOを親に宣伝しました。
この辺りで家から通えて、海外研修とか英語の多少の勉強もできて、卒業した先輩もいろんな水族館で働いてるよっていうことを親を説得して、そこに決めました。
――ECOの卒業生や教育内容を見て、ご両親も納得していただいたのですか。
「行くならちゃんと頑張ってね」と言ってもらえました。
飼育当番に力を入れた学生時代
――名古屋ECOにご入学されてから、印象に残っている授業や校外実習などがありましたら教えてください。
飼育当番がすごい印象に残っています。魚と爬虫類をやってたんですけど、もともと爬虫類は全然興味がなく、魚しか興味がなかったんです。
しかしECOに入って爬虫類の世話もしてたら、爬虫類めっちゃ好きになりました。今は家にも爬虫類がすごいいるんですよ。
みんなで協力して、お盆もお正月も全然なかったんですけど、それが私は印象に残ってます。
――なぜ飼育当番が印象に残っているのですか?
家で飼育できない動物を、実際に大変なところとかを見て、「新しい生き物を飼うよ」「どれにするどれにする」ってみんなで話したりとか、実際に働いているような気分になって、そこがすごい印象に残ってます。
たまに爬虫類が脱走していて、それもすごい大変でした。そういうのもすごい残ってますね。
――飼育当番以外で、学校生活のなかで「こういうところがすごい勉強になったな」とか「身についたな」っていうことってありますか?
もともと人見知りで、あんまり人と喋れなかったんです。
しかし学校入って色んな高校から色んな子たちが集まってくるなかで、色んな人達と喋るコミュニケーション能力とかはすごい身についたなと思います。
先生もたくさん話を聞いてくださり、その点ではよく喋れるようになったなと思いますね。
水族館に就職 ~大変なこともあるけど、楽しくて7年間働き続けられている~
――現在は具体的にどのようなお仕事を担当されていますか?
今は飼育で魚とウミガメの担当をメインでしています。
あとは学習講座で、地引網の解説に行ったり、「ビーチコーミング」っていう海岸で貝とかを拾うイベントの解説に行ったりとか、そういうのもやってます。
――海へ出張するという形になるんですか?
すぐそこの海に、団体さんを連れて行くことをよくしています。
地引網して取れた魚を解説するなどしています。
――それは南知多ビーチランドさんが主催されているのですか?
そうです。団体さん向けのイベントですね。
――実際に働かれるなかで初めて知ったお仕事内容などはありましたか?
私は水族館に入って、「お魚担当ですよ」って言われたら辞めるまでずっと変わらないって思ってたんですよ。
そしたら、途中でペンギン担当に変わったんですね。
現在はまた魚に戻ってきたんですけど、異動するって思っていませんでした。
ペンギンのこと全く知らないのに、「ペンギンやるの?」って思って。
魚しか勉強してなかったので、学生の頃から他の知識を付けておけばよかったなというのは思いましたね。
――名古屋ECOにご在学中のときは、特に海洋哺乳類にはあまり触れなかったのですか?
全く触れてなかったですね。
ペンギンの勉強を働きながらやったので、予めちょっとは身につけておけばよかったかなという反省もあります。
――魚とペンギンでは、難しさなどは全然違うのですか?
違いますね。
ペンギンは数が多く、ビーチランドでは80ちょっといるので、それぞれの個体管理をして、体重を測ってといった点で、魚とは違う大変さがあります。
――水槽ではないですもんね。
そうです。その子の管理をしなきゃいけないので。
魚は水槽で管理する感じで、全然そこが違います。
――魚担当をやっていく上で感じた難しさなどはありましたか?
今まで(家や学校など)はお客さんに見てもらう水槽ではなく、個人でやっている時の、個人の好きなものを好きなだけ入れて好きな水草入れてという形でやっていました。
しかし水族館だとみんなに見てもらわないといけないので、みんなが見て「可愛いな」とか「良いな」って思う水槽を作るのが難しいなとは思いました。
――学校も、「展示する」というよりは「飼育する」という形の方が強かったですか?
そうですね。
飼育して、「こういう病気が出たらこうやって治しましょうね」といったものが多かったです。
今はわからないですけど、学校は淡水魚がメインで海水魚が全然いなかったので、そこでもちょっと違うのかなと思いました。
――魚の飼育・管理する数や大きさも大分違いますか?
全然違いますね。
学校だと1つの水槽で1つの世界ができてるんですけど、水族館だとたくさんの水槽を1つの濾過槽みたいなので回してるので、1個で病気がでるとみんな病気がでるんですよ。
そこの点では水族館はすごく大変だなと思います。
――お仕事では、チームプレイのようなことも必要なのですか?
めっちゃ必要です。本当にそう思います。
少ない人数で見なきゃいけないので、連携が取れてないと、「聞いてなかったよ」みたいなのとか結構あったりするので、学校の時よりもチームプレイはすごい大切だなと思いました。
――「学校の時よりも」というのは、どういう点でそう思うのですか?
学生だと毎日会ってるので、「こうだったよ」みたいな感じですぐに伝わっていくんです。
――高校生の頃と比較して、水族館飼育員に対するイメージが変化した点はありますか?
高校生の時は「水族館で働きたい働きたい」っていうだけだったので、大変な部分とかも全然知りませんでした。
実際に働いてみると、休みも不規則ですし大変だなっていうのもありますが、楽しいので7年続いています。
本当は3年働いたら辞めようって思ってたんですよ。
理想は3~4年働いて結婚して辞めようと思ってたんですけど、今もう7年働いて、職場で結婚して、続けられています。それだけ楽しい仕事ではあります。
――7年働かれるなかで、お仕事のやりがいはどういうところにあると思いますか?
ビーチランドは、自分の好きな魚や「これやりたいです」っていうのを上司の方に相談をしたら、大体は「やってみて良いよ」って言う感じで、自分の好きな生き物を自分の好きな展示でお客さんに見てもらうっていうことができるんです。
それを見たお客さんから「いいね」と言っていただけると、「よしよしよし」ってなって、すごいやりがいを感じてます。
――お客さんからのフィードバックがあると、「良かったな」と感じられるのですね。
やる気が出ます。
――現場で働かれるなかで、改めて感じる名古屋ECOの魅力など、ありましたらお聞かせください。
外部の色々なところからも先生が来てくれたりとかして勉強になるし、話をしていくと、いろんな業界の人とつながりもできるので、「水族館で働きたい」っていう人だけじゃなくて、他の仕事に就きたい人も視野が広がって良いなと思いました。
生き物が好きな人にとっては、すごい良い学校だったなって。
――「視野が広がる」というのは、生き物が好きっていう人にとって、生き物のもっといろんな魅力が知れるっていうことでしょうか。
そうですね。
私の同期にも、元々「水族館で働きたい」って言ってたけど、「養殖の方が良い」って養殖に行った子もいました。
在学中に夢が変わることもすごいあるので、その点で視野が広がるかなと思いました。