名古屋ECOの卒業生たちは、全国の様々な場所で活躍しています。
卒業生たちは動物業界の現場でどのように働いているのでしょうか。
そして学生時代をどのように過ごしてきたのでしょうか。
卒業生たちの学生時代から現在のお仕事までの様子をうかがったインタビュー内容を、ほぼそのままの形でお届けする「【卒業生インタビュー】特集」。
今回は、サファリ形式で混合飼育を行っていることが魅力の伊豆アニマルキングダム。
ここで動物飼育員として活躍している岩田さんの、学生時代から現在までの様子に迫っていきましょう!
卒業生情報
岩田さん
伊豆アニマルキングダム
飼育担当(ふれあい動物園、サル)
動物園・動物飼育専攻 2017年卒業
<取材日程:2019/10/15、取材:名古屋ECO事務局(白谷)>
飼育員を目指して名古屋ECOへ
――岩田さんが飼育員を目指すことをはっきり決めた時期はいつぐらいですか?
はっきり決めたのは、中学生ですかね。
――飼育員を目指すうえで、名古屋ECOを選んだのはなぜですか。
(飼育員の)就職口があるとのことだったので、それで入りました。
コミュニケーション力を身に付けた学生時代
――名古屋ECOで学ぶなかで印象に残っている機会などはありますか?
「フィールドワーク」という授業が印象に残っています。
個人的にその授業がすごく好きでした。結構自分で絵とか描いていたりしていたので、それでだと思います。
――名古屋ECOで学ばれるなかで、「こういうところが成長したな」とか「こういう力が身についたな」と思うことはありますか?
もともと人としゃべるのが苦手でした。
しかし、学園祭などでよくある、ふれあいイベントなどでの経験を通して、結構人としゃべれるようになったなと思います。
もともと、ずっとふれあいがやりたいと思っていました。
小さい子も動物に触れない子が多いので、それで触れるようになってほしくて、そのためには自分がまず人とふれあわないと無理だなとの思いで頑張りました。
夢の飼育員へ ~動物たちの繁殖に関わることが楽しい~
――伊豆アニマルキングダムで働かれているなかで、改めて感じている動物園で働くことの面白さややりがい、あるいは大変さなどあれば教えてください。
アルマジロを担当しているのですが、繁殖系の時に、「発情来たから種付けて、そこから妊娠したかどうか体重毎日計って」とか、「生まれそうだから、出産の準備して、出産したらどうするか」みたいな、そういうのを考えながらやるのは結構やりがいがあるなと思います。
育児放棄があったのですが、そこも踏まえて先に用意しておいて、人工保育になった場合どうするかとか、そういうのを考えながらやるのは、ちょっと大変でしたけど、楽しかったです。
――それは、なんで楽しいと感じるのですか。
ひとつの行動で違ってくるからです。
キンカチョウという鳥がいるのですが、それが卵を産むんですけど、孵化しないっていう状態が何回かあって。
それで「室温とか湿度とか上げたらどうか」といった風に試行錯誤していって、やっと孵化できた時がありました。
そういうひとつのことで、いろいろ状況が変わるのは楽しいなって思います。
しかし難しいので、たまに「うわー」ってなります。面白さと難しさ、両方あるかな。
――同じ種でも、全然違うのですか?
全然違いますね。その子その子、個体でも性格は大分違います。
「この子は出産したら近づかないほうがいい」とか。子どもは遊んでいるのに、大人は違うところにいたりとか。
子どもを触っても大丈夫っていう親もいれば、子どもは絶対触らせないという親もいるので。そこらへんは大分違います。
――名古屋ECOご在学中の時に、「人と喋るのが苦手だったけど、元々ふれあいがやりたくて、経験を重ねていくなかで少しずつ克服していった」ということを伺ったのですが、実際に今ふれあいのブースを担当されているなかで、人との関わりみたいな場面についてはどういう風に感じますか?
基本的に楽しいです。
難しいなって思うのは、子供との距離感です。
どうしても絶対に触らないっていうお子様がいたりするのですが、無理やり触らせてそれがトラウマになってもダメなので、子供との距離感は一番大切にしています。
一方で、「触りたいけど触るの怖いな」っていうお子様が、触って、めちゃめちゃ笑って帰る時があるんですが、それは「ものすごい楽しいな」っていうのがありますね。
それで親御さんも喜んでくださるので、「ありがとうございました~!」って帰ってくださる時が一番楽しい時です。
――名古屋ECOで学んだことのなかで、「今も役立っているな」と思うことはありますか?
授業や実習関係もそうですが、学校にいる動物の飼育当番とかも役立っています。道具の使い方とかもそうですね。
また実習についても、実習先で学べたこととかもあり、専門学校に行ってないと実習にはあまり行けないので、その辺は大分大きいですね。
――飼育当番では、具体的には例えば道具の使い方なども勉強になったということですか?
そうですね。道具の扱いとか、道具を使ったら元の位置に綺麗に戻すっていうのは、基礎なんですけど、大事なことです。
基本的なところは、学校で学んだかな。
――実習先でも色々なことを学ばれたとのことですが、実習先で学んだなかで特に「これは今も大事だな」って思うことはありますか?
私は実習先もふれあい系だったので、人との接し方はそこで学ぶことができました。
また、学校で飼育しているのは結構小さい動物なので、実習先では大きい動物の掃除の仕方などを教えてもらうことができました。